M'ricyyyy

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Idealism and Materialism



―同じ動きを繰り返すマリオネット。
―それはどんな意味も成さない動作。
―中身の無い空っぽになったカラダ。
―何も不自由なく自由なく働く精神。
―死に絶えたような表情を浮かべて。
―誰も皆目もくれず歩いてゆく中で。
―ただ一人だけを切り取ったように。
―その“人形”はずっと動き続ける。
―過不足なく進む世界からはみ出し。
―異端として放られ葬られ削除され。
―苦しみや哀しみすら与えられずに。
―喜びも幸福も楽しさも知らぬまま。







「で?それがなんだってんだよ」
投げやりな態度を全身全霊で表現しながら、ぼくの向かいに座る(否、寝転ぶ)彼―零崎人識―は言った。
「可哀相だと思わない?」
「何処がだよ」
「そんなこと僕に聞かれても」
第一本音じゃないし。
「ふーん…」
興味が無くなったのか、もう用はないとでも言いたそうな表情を浮かべ、ゆっくりと立ち上がった。




「じゃあ俺、そろそろ帰るな。兄貴が心配すっからさ」
「ああ、またな、零崎。」
僕は俯いたまま応えた。
零崎は立ったまま動こうとしない。
「………零崎?」
不審に思い、顔を上げてみると。
零崎がこちらを見下ろすような構図。
正しくは、僕は見下ろされているのだが。
…僕より身長低い奴に見下ろされたくはないな。
「どうしたんだ?帰らなくていいのかよ」
「いや、なーんかいーたん見てるとさ」

「?」






「こう、なんつーか、ほら、アレだ、キス、したくなるんだよ」
「ふざけすぎだな。頭大丈夫か?」
「全くもって正常値のはずだ」
「だいたい、男が男にキスとか。」
「いや、世の中には有り得るもんだぜ?」
「そうか零崎、おまえホモだったのか」
「あのなー、俺誰彼構わずってわけじゃねーよ」


いや、当たり前だろ。
相手が女であろうとも、
誰彼構わず発情してちゃあな。
してそうだけど。



「してねーよ」

あら、ばれたか。


「鏡なめんなよ。お見通しさ」

「わーすごいすごい」

なんかムカついたから、
お返しと言わんばかり。
棒読みで返してやった。



「いーたんだって解ってんだろ?

今俺が何考えてるか」



「…まぁ、なんとなくね」






「へぇー…じゃあ言ってみろよ」

「そういうもんは自分で言うもんだろ」





鏡、だから
なんとなく
予想だけ。
つく、けど
やっぱりさ
相手にしてもらってこそ
嬉しいんじゃあないかと
そう、僕は考えますが。
まぁ、欠陥製品の僕には
零崎のその感情だけには
理解しがたいものがある




「じゃあさ、せーので同時に言おうぜ」


「…僕が言う必要ないだろ」


「じゃあ応えてくれんのか?」


「さぁね、応えてあげないこともないよ」


「お、いいねぇ」



理解しがたいだけ。
所詮は、欠陥製品。
欠落した部分は、。
補うことは不可能。

補うのが不可能なら

新しく、作ればいい



「いーたん」





静寂の空白が、
たった一秒が、
永遠にも思えた










「愛してる」





*end.





)あとがき(
初戯言!!して初零僕!!
なんだこりゃ。
意味わっかんねぇよう
失笑。慰めて誰かぁ。




おまけ。



「それで姫、返事はいかほどに」
「姫じゃねえよ。」
「さあ愛の言葉を!!」
「うざいきもいしね」
「うわっ、いーたんが暴言吐いたっ」
「はい泣くなって…

好きだよ」
「え?もっかい」
「無理」
「けちー。いーたんのけちー。」
「…全く、」





ほんと、戯言だよなぁ、…


「いやいや、傑作だろ?」



そりゃあごもっとも 。



t.end

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