M'ricyyyy

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幻想の原則

鏡の中に写る鏡
自分ともう一人
鏡の中の自分と
向き合うことは
とても難しくて
泣きそうになる
嫌いだからかな
自分も鏡の中も
大っ嫌いだから
だから正面から
向き合えなくて
一人困り果てて
意味も無くして
ただ立ち尽くす
それは生きた屍
闇から葬られた
一匹の狼少年と
鎖から解された
一匹の人間失格

2つは1つに
1つは2つに
1つは1つに
2つは、零に











*****

 想
  の原則
 *****



『欠陥、起きろよ』
錯覚と幻覚で作り上げられたような弛む声で眼を覚ました。
午前10時38分。
時計は正確に刻を歩んでいる。
早い、確実に。
まさか自分の幻に起こされようとは。

大きな欠伸をひとつ。

…あーあ全く、変な妄想………?!
「なんだよその顔。まさか今気付いたのか?」
「零、崎」
「よぉいーたん」

かはは、と笑いながら刺青を歪ませる人物。
零崎、人識。
なんでまたこんなとこに。
「ノックならしたぜ。起きねぇそっちが悪いんだからな」
そう言いながら少し唇を尖んがらせる。
幼稚と云えば幼稚だが、身長も低く、顔もそれなりに可愛い方のこいつがすれば、…まぁ合わなくはないと思う、が。
しかしそれに嫌悪感を示してしまうのも一種の本能と言えるかもしれない。

「だからってぐっすりと幸せに寝ている僕を起こすなんて」「デートしよいーたん」
真顔で言われた。



「はぁ?」

「だから、デート」「確実に頭逝かれたな」「なっ、ちげーよ!!」

―今日は何の日か、忘れた?―





切なさと慈愛と哀願のようなものが滲んだ声が、部屋に細々と響いた。





「………今日?」「今日」

「………何の日?ていうか何日?」「5月の13。ちなみに水曜」

水曜、なら“13日の金曜日”は成立しない、か。
5月、
…13日。
…金曜日?


「あ」「…思い出したか?」
呆れ返ったまぬけ声だ、あの時とは全く別の
「僕等が出遭った日」





『ご名答。』
零崎は未だ布団に寝転がったままのぼくに微かに触れるだけの優しいキスをした。

午前10時52分。
目醒めてから10分以上経っていたらしい。





「でもデートは嫌」
「へ?……何で!?」
慌てふためく零崎を見上げたまま、静かに告げた。
「どうせなら家で寛ぎたい」






本心じゃないことくらい、相手も解ってるだろう、

…薄く笑みを浮かべる殺人鬼。

近付いてくる入れ墨に手を伸ばし、そっと口付けた。









†end



あとがき+―+

〆切りまにあった(´Д`;)
ふう…完成しないかともおもったけど。
うん、よかったです
いやよかないよこんなgdgd文。
零僕記念、のはず。
小説でキスシーン(と言っていいのか解らないけど汗)書いたの多分否確実に初めてよ私!!
永遠に書かないと思ってたけど←

そんなこんなで5月13日おめでとう!





2009/05/13
 

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